私は現在資材課という部署で働いています。資材課は加工前のプラスチック材料を管理し、規格サイズの材料や過去に使用した端材から製品のサイズへと材料をカットします。すべての加工においてスタートになる部署となり次工程へと速やかに渡す必要がありますので非常に大切な部署です。また、カットの仕方によって製品の原材料費が変わってしまいますので、効率よく材料を使用することが大切になることから利益に直結する部署でもあります。
私がこの会社に入社したのはまだ15歳の時でした。当時は洛陽工業高校、現在の京都工学院高校の定時制に通っており、昼間は仕事、夜は学校という生活を送っておりました。入社のきっかけは工業高校に通っていたこともあり、学校からプラスチックの加工をしているサンコーを紹介してもらったことでした。入社当時は機械設備も少なく、社員も10数名しかいませんでしたが、その分、和気あいあいと仕事をすることができました。そんな環境も相まって、機械を操作してプラスチックを加工する。そして、自分が作った製品がお客様のもとで役に立っているということをより実感でき、プラスチック加工の虜になりました。入社15年目に、工場長としての仕事を会社から与えてもらい、2024年には後輩に部長職を譲り、物流部の責任者を経て、現在は製造部資材課にて業務にあたっています。
私が工場長を務めていた期間の製造部は「早く、キレイに、正確に」をモットーとして、モノづくりに励んでいました。ただこれからの時代、お客様の要望・信頼を満たし続ける為には、今まで以上の努力や創意工夫が必要となってきますし、働き方への意識が変わりつつある世の中で、若者にはなかなか製造業に目を向けてもらえなくもなってくると思います。それらを打破していくには、製造業の楽しさを伝え、若手加工者を育成していくことが今後のカギになってくると私は思っていますしそうしてきたと自負しております。そうした中で私が指導をしてきた後輩たちが部長となり、今の製造部を引っ張ってくれていることは私にとって大変うれしいことです。若手加工者の育成といってもなかなか一筋縄ではいきませんが、私が後輩たちに製造業の楽しさを伝えてきたように後輩たちがさらなる未来を担う若手社員に今持っている技術や知識、そして加工の楽しさを伝承していってくれることを期待しています。私もまだまだ今までの経験を生かせると感じていますのでそれらのサポートを引き続きしていきたいと思います。